★監督義務者への制裁

川崎市の凄惨な事件は本当に許せない。18歳少年も許せないが、悪あがきをする父親に反省がないことがもっと許せない。

自分自身、子を持つ親であるからこそ、改めてこの父親に不法行為責任を当てはめるロジックを認めておきたい。

まず、民712では、 「未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない」としている。一見すると、当該加害者の18歳少年は、上村君を殺害したのに不法行為責任を負わないということと解釈できる。
ただし、未成年者でも、少なくとも13歳以上であれば責任弁識能力があると考えられている。当然加害者は18歳だから不法行為責任を負うことになる。損害賠償責任を負担しなければならない。

しかしながら、現実的な課題はそこではない。当然、損害の填補の可否である。上村君への損害賠償を計数化して逸失利益と慰謝料で2億円弱になるだろう。だが、当該加害者にその資金力はない。

本来ならば、民714の監督義務者責任に基づき、責任無能力者の監督義務者が損害賠償責任を負担することになる。ところが、当該加害者は責任無能力者でないことが明らかであるから、監督義務者が損害賠償を保障しなくてもいいという援用解釈になる。

ただこのパラドックスに歯止めを掛けたリーディングケースもあった。
「・・・未成年者が責任無能力者とは言えない場合であっても・・・損害の発生との間に相当因果関係が認められる場合には、民法714条ではなく、民法709条・710条に基づいて、その未成年者の監督義務者に対して損害賠償を請求できる(最二小判昭和49年3月22日)」

これで、この悪あがきしている父親にも徹
底的に社会的制裁を下すことができる。

 

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